2014年5月20日火曜日

Batlogg先生およびHo先生セミナー講演

ISOME2014での招待講演のために来日されたETH ZürichのBertram Batlogg先生とNational University of SingaporeのPeter Ho先生にNAISTまでお越し頂き、セミナー講演をお願いしました。


Batlogg先生には、有機単結晶ならびに多結晶薄膜中でのキャリア輸送とゼーベック効果について、結果として1時間半近くセミナーを開いて頂き、学生や他研究室の若手教員の方々も含めてディスカッションを行いました。
それにしても、Batloggグループのルブレン単結晶FETの特性は本当に美しいですね。先生も言われていましたが、大抵のシリコンMOS-FETより教科書的な特性です。私も、良く講義やセミナーで言っていますが、一般論として無機半導体より有機半導体のほうがギャップ内準位がはるかに少ないということを力説されていました。
Batlogg先生の講義はいつもながら分かりやすく、学生達にもうまく質問を誘導して頂きました。質問のご褒美はスイス製のチョコレートでした。


Ho先生には、ポリマートランジスタにおけるポリマー/ゲート絶縁膜界面でのπ骨格の配向評価について講演頂きました。基板表面の化学修飾の効果として、この分野ではよく親水疎水の度合い(例えば水の接触角)で単純に議論する研究が多い中、そんなに単純ではないよ、というのが判る良い例であったかと思います。
実験テクニックとして、いくつか驚かされるものもありました。


さて、お二人には奈良ホテルに泊まって頂いたのですが、実はここには因縁があります。


この壁に掛かっている写真で判りますでしょうか?
ETH Zürich卒業生の中でも、日本人にとって最も有名な人、Albert Einstein先生です。
Einstein先生は1921年のノーベル物理学賞を受賞していますが、実はその決定は保留されており、受賞決定の報を聞いたのは1922年に日本に向かう途中だったそうです。
ノーベル賞受賞直後の有名な科学者の来日(当時、そう簡単にヨーロッパからアジアまで来られませんから)に、日本中で大歓迎されるわけですが、日本中を旅した中で奈良にも2泊されています。
そのときの宿が奈良ホテルで、このピアノはその際にEinstein先生が弾いている姿が写真に撮られた、まさに本物のピアノです。

お二人とも、子供のようにはしゃいでいました。大抵の物理学者にとってEinstein先生はヒーローですからね。

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